組織風土の特徴を掴む その125 【人事の決定が厳格である理由】

方針が先にあるべきか?

それよりも適切な人材が先にいるべきか?

この議論を実はやりきっていない企業の方が多いのではないでしょうか?

経営の仕事は「決める」事なので、方針をまずは決めるというのはしごくごもっともです。

・・・と私も思っていました。

こんな社内の声を聞いた事がありませんか?

「方針が立派過ぎる」

「とても我々ではそこに(方針)向かえない」

「どんな部下だか社長はわかっているのですか?方針を決めれば社長はそれでいいが、我々管理職はそれを実践出来なければ低い評価をされる」

これらの声は社員の質に対して疑問を呈しています。経営はこの事をしっかりと考えなくてはならないと思います。

社員が先見性を持ち、自らに責任を持って、自己管理できる人材ばかりであれば、方針の浸透が可能ですが、先見性が無く、自らに責任が無く、自己管理出来ない人材ばかりの場合、その方針が実行される事はありません。

なぜなら、後者は全てに疑問を持ちます。

「なぜその方針でなければならないのですか?」(先見性が無いし、しかも会社のミッションを理解していない)

「それを実行しない人には罰則があるのですね?」(自らに責任をかせない)

「どのようにその方針に向かえばいいかを示して下さい!」(自己管理できない)

管理職は以上のすべてを指導している間に時間がすぐにたってしまいますし、ルールを作らなければ社員を向ける事が出来なくなってしまいます。

 

方法が先にあるべきと考えている経営者は少しお考えを改める必要があるかもしれません。

それよりも適切な人材を適切なポジションに配置し任せているか?をしっかりと確認して下さい。

誰を選ぶかをしっかりと行い、その後に何をすべきかを決める事が肝要です。

例えそれが、ビジョンでも戦略でも戦術でも組織構造でも技術であっても、【誰を選ぶか】が先に来るのです。

人事の決定では厳格であるべきです。

3つのポイントをまとめておきます。

1 疑問があれば採用しない(人材を探し続ける)

2 人を入れ替える必要があることがわかれば行動する(ポジションが合っていないだけかどうかも考える)

3 最高の人材は最高の機会の追及にあてる(問題解決にはあてない)

これらは冷酷では無く、厳格と言えます。

また人材こそがもっとも重要な資産は間違っていて、適切な人材こそがもっとも重要な資産であり、適切な人材とは専門知識、学歴、業務経験でははかれず、性格と基礎的能力によって決まっている事をもっと知る必要がありますね。